お正月の縁起物について
交換の時期と頻度について
だるまは、何でも叶えてくれる万能の縁起物ですが、ご利益の期限は1年間と言われています。
新年や、年度の変わり目には、新しいだるまをお買い求めいただき、新しいだるまに新たな願いを込めて、左目(正面から向かって右側の目)をお入れになってください。
また、願い事が叶っていない場合についてですが、願い事が100%叶っていなくても、区切りと致しまして、新しいだるまをお買い求めになってください。そして、新しいだるまに新たな願いを込めてください。
なお、願い事が叶った場合についてですが、
1.願いが叶った古いだるまは供養し、翌年は「一回り大きなサイズのだるま」をお買い求めになる。
2.願いが叶った古いだるまを供養せずに取って置き、「新しいだるま」と一緒に並べる。
3.願いが叶っただるまと「同じサイズのだるま」を、新たにお買い求めになる。
など、色々な説がございますので、ご自分でお好きな方法をお選びになってください。
供養の方法について
古いだるまの供養の仕方ですが、地元で「どんど焼き」などがある場合は、その際に感謝の心を込めてお焼きになるか、お近くの「お寺」にお納めになってください。
家の近くに「どんど焼き」の風習も「お寺」もない場合は、お近くの「神社」にお納めになってください。
よく、「お寺でも神社でもどちらでもいい」というサイトも見かけますが、「だるま」は元々、仏教の僧侶である「達磨大師」をモチーフに作られたものですので、出来ればお寺にお納めになられるのがよろしいと思われます。
日本三大だるま市について
日本各地でさまざまなだるま市が開催されていますが、日本三大だるま市と呼ばれているものは、下記の
「少林山七草大祭だるま市」
「厄除元三大師大祭だるま市」
「毘沙門天大祭だるま市」
で、詳細は以下のようになります。
☆少林山七草大祭だるま市
開催期間:1月6日~7日
開催場所:少林山達磨寺(群馬県高崎市鼻高町296)
問い合わせ先:027-322-8800(少林山達磨寺)
少林山達磨寺は、全国的に知られている「福だるま」の発祥のお寺です。だるまの全国生産量の8割を占める高崎のだるまは、このお寺の9代目住職が、飢饉に苦しむ農民の救済にと、副業として張り子のだるま作りを教えたのが始まりとなります。
☆毘沙門天大祭だるま市
開催期間:旧暦正月7日~9日(新暦2月)
開催場所:毘沙門天妙法寺(静岡県富士市今井2-7-1)
問い合わせ先:0545-32-0114(毘沙門天妙法寺)
☆厄除元大師大祭だるま市
開催期間:3月3日~4日
開催場所:深大寺(東京都調布市深大寺元町5-15-1)
問い合わせ先:042-486-5511(深大寺)
縁起物の意味やマナーについて
おせち料理について
☆おせち料理の由来
「おせち」というのは「節会(せちえ)」「御節供(おせちく)」の略で、昔は
人日(じんじつ)・正月7日
上巳(じょうし)・3月3日
端午(たんご)・5月5日
七夕(たなばた)・7月7日
重用(ちょうよう)・9月9日
の「五節句などの節目に出される料理」や「神に供える料理のすべて」が「おせち料理」と呼ばれていました。
☆おせち料理の意味とレシピ
お正月におせち料理を食べるのは、「神に供えたごちそうを皆でいただく」という意味と、「神様を迎えている間は煮炊きするのを慎む」ということからきています。
伝統的なおせち料理は4段重ねが正式。壱の重から与のまでで春夏秋冬をあらわします。
壱の重は「祝い肴」、弐の重は「口取り肴」、参の重は「焼き物」、与の重は「煮物」というのが正式ですが、最近では参の重、弐の重のおせち料理も増えています。
☆おせちの食材の意味
☆黒豆:1年の邪気をはらってまめに暮らせる。
☆かずのこ:にしんの卵で、「ニ親」に通じて子宝に恵まれる。
☆こぶ巻き:「喜ぶ」に通じる。こぶはお正月だけでなく、おめでたい席には欠かせないもの。
☆ごまめ:田作りともいわれ、豊作を祈願するもの。
☆伊達巻き:卵は子孫繁栄の象徴。
☆なます:神聖な色「白」と慶事の色である「紅」を、大根と人参であらわしたもの。
☆里芋:子芋が多いことから、子孫繁栄を願う。
☆頭芋(かしらいも):人の先頭に立てる。
☆れんこん:穴があいていることから、先が見通せる。
☆結びこんにゃく:むつみ合える。
☆えび:目が出ているため、「めでたい」に通じる。老人のように腰が曲がっているので、長寿を願う意味も。
☆ぶり:出世魚であることから、出世を願う。
☆鯛:恵比寿さまが釣り上げた、めでたい魚。
門松について
☆意味や由来
門や玄関に飾る門松は、年神様が家に降りてくるときの目印であり、年神様が宿る依り代(神霊がのり移るもの)とされています。
「松」と「待つ」をかけて「神を待つ木」とされていた松に、松とともに不老長寿の縁起物とされる竹が加わり、鎌倉時代に現在の形になりました。
「松飾り」や「正月飾り」と呼ばれることもあります。
☆いつから飾るのか
12月26~28日か30日に立てるのが一般的です。
29日は「二重苦」に通じ、31日は「一夜飾り」となって不吉なので避けます。
☆飾り付けの方法
松を中心にすえ、3本または5本、7本の葉つきの竹を添え、すそに松の割り薪を並べて荒縄で3ヵ所を3巻き、5巻き、7巻きと筋目を見せて七五三に結んだ形が正式です。
これを道路から見て門の左側に雄松(葉が硬い松)、右側に雌松(葉が柔らかい松)と左右一対で飾ります。
竹の上端を斜めに切りますが、関西地方では切らないのが正式です。
略式の場合は、若松の枝を奉書紙で巻き、水引きを飾り、門柱などに左右一対で取り付けます。
☆いつまで飾るのかや処分方法
お正月の最終日である1月7日の「松の内」に取り外し、「どんど焼き」などと呼ばれる行事で火にくべるのが習わしです。
最近は、環境問題などからもこうした火祭りを行なう地域が少なくなっていますが、ゴミ回収などに出すときは、お飾りを紙で包み(その際、塩をふることも)、ゴミに出す心配りをしてください。
「冠婚葬祭 お金とマナー」より
「冠婚葬祭とマナーの基本事典」より